2012年3月1日

大阪時代(三六)

何んの事はない。僅か一年で又、元に戻ってしまった。まあ気分は落ち着きましたがね。
そして、求人欄とニラメッコ。夜の世界イヤ、昼の喫茶店、つまり水商売から足を洗って、
二日目に求人欄で見た会社へ面接に行き、三日目から働き出した。消火器製造会社だった。
このYと言う消火器会社は、家からバスで20分程で行ける処にあり、私の同級生だった男も
勤めていて、そいつなぞは、中学出てすぐに勤めているから、既に三年選手。
しかも同じ部署に小生も入れられて、久し振りに会っては何ンとなく気恥ずかしくて、
向こうはベテランこっちはペーペー。だけども何ンとなく、俺は夜の世界でやってきた男だ。
世間の事はお前より知ってるぞッ!てなんの意味もない事を思ってたりして。
ヘッ全く馬鹿と言う奴はドーシヨーモナイ!

「兄弟と友が集う」

でまあ、そんなこんなでオッチョコチョイのアタシは、すぐに仲間も出来て、まあその部署には
十人程いるのだが、年寄りばかり。定年が終ってそのまま嘱託で残ってたり、ヨソの会社で定年して
来てたりとか、若い奴は四人程。
仕事の内容は発送部で、つまり製品を一番最後に美しく磨いて段ボール箱につめて、木箱に詰めて、
あっちこっちの送り先を書いてトラックに積んで終了と言う訳です。
単純極まる仕事ですぐにベテランになった。同級生だった奴はそのトラックの運転手。

石倉三郎