2016年9月1日

東京番外地(九〇)

『そっかそりゃ良い!頑張れよ、要はヤル気があるかないかだけだーな。そうだろ?』
『ハイ、全くそうです何ンとかやっていきます』とにかく色々話をさせて戴きたいのだが、気持ばかりが逸って何も云う事が思い浮かばない。『早く店に戻んな。サボってたら偉いサンに怒られるぞ。』
『ハイ済みません!失礼します!』てな事でスゴスゴ店に戻り、チエミさんの荷物を持って、もう一度健サンの処へと思っている内に忙しさにかまけて、チエミさんはお帰りになってしまった。仕様がネーナ俺は!バカなんだ俺は!でも頑張るぜ!って何をどういう風に?!嗚呼〜!!
 毎日毎日とにかく店に出るのが楽しくて、それこそ勤勉に働いて、店が終る午前三時、それから飲みに行く。当時二十四時営業のレストラン、バー、茶漬屋、スナック等次々と開店していて、青山という土地柄何でもありという便利で面白い処。大阪が発祥の地で、すぐに東京に飛び火してきた絨緞バー、なんて処にもウロウロ出没して、まあとにかくよく飲み遊びましたなあ。東映とバイトを掛け持ちしてる頃に、つまり一年程前にスナックで呑み過ぎてゲロの代わりに血を吐いて、あら、不味い。こら結核だァー!!どうしよう!?どうするも何も金は無い(酒代は有るのだ)入院なんか出来る筈もない、何だよ俺結核で死ぬのかよ?!参ったなぁ……。正にお先真ッ暗!!でも、コノ後すぐ小生何を思ったと思われます?親父オフクロ兄姉、三人程の友達、この人達に面目はたつな、と。

怪女?古い友人カルーセル麻紀と

石倉三郎