6年間の東北芸術工科大学デザイン工学部助教授を 経て、1999年武蔵野美術大学造形学部デザイン情報 学科教授、2015年4月、同大学学長就任(2023年 3月末、学長任期満了退任)、2016年7月、Senior Fellow of the Royal College of Art となる。 2023年11月、学校法人武蔵野美術大学理事長就 任。2024年4月、武蔵野美術大学名誉教授。2025年 7月、英国国立ロンドン芸術大学より名誉博士号を 授与。
募集から作品制作の締め切りまでが短期間だったにも関わらず、なんと30作品も集まりました。
しかも作品の大半は、審査員5人の全てが「想定以上の出来」と驚く水準でした。
生成AIの進化により、限られた一握りのプロフェッショナルだけでなく、
より多くの人々が映像表現を可能にしています。
これまでにないユニークかつ多様な表現が生まれ始めています。
こうした「映像の民主化」で、メディアは新たな進化を見せると確信するコンテストとなりました。
挑戦して頂いた皆様、本当にありがとうございました。
【作者】 Hana Petal
【年齢・性別】非公表
【選評】審査員全員が最高ランクの評価をした作品。1部「島々を渡る風」は、大石先生の自転車が島のあちこちを走り飛翔する。
軽快な音楽と島の魅力満載の1カット(1分半)は、掴みとして抜群の出来。2部「たからもの」は、子どもたちの表情が実写以上に豊かに描かれ、
かけがえのない営みが戦前の小豆島にあったことを印象付けた。一転して3部「凪の祈り」は、哀愁を帯びた音楽の中で小豆島に悲しさと愛おしさに満ちた暮らしがあったことを浮かび上がらせる。
そしてラストにサプライズの大石先生インタビュー(英語)。日本語の「あ」と「い」は愛であり、それをAIが紡ぐという制作者の闘争宣言。当コンテストの存在理由までも描き切ってくれた5分だった。
【作者】TECH(@BOLTTECH_WORKS)
【年齢・性別】47歳・男性
【選評】クレイアニメ風の生成AI動画。主人公・葵は無表情。母も含めセリフは最小限。音楽も単調な音だけ。要は全体的にそっけなく、ゆったり過ぎていく。ところが取り壊し寸前の分校で葵が手に取った自由記述帳に、島を出た幼馴染の海斗が“かつて止まっていた自分”が過ごした当時は「必要な時間だった」と記されていた。再会を果たしていない二人に共通の思いがあったことを知り、葵は一粒だけ落涙する。審査員のおじさんたちは、ここで滂沱の涙。延々と抑制が続き、最後30秒で初めて感情を出すという、“どんでん返し”には参った。微妙な表情を見せないクレイアニメならではの大逆転は、タイトルも含め、制作者の手練手管を印象付けた。
【受賞コメント】
準グランプリのご評価を賜り光栄です。静けさと抑制を積み重ね、ラストの一粒の涙へ全体を設計しました。約1か月の熱量を読み取る選評に心より感謝します。思いは届くと実感しました。次はその先へ必ず挑みます!
【作者】 ペンネーム: けんた
【年齢・性別】59歳・男性
【選評】アイデアが面白い。小豆島の記憶をつなぐために作られた大石先生のAIアンドロイド。1章「無人の点呼」では、物語の枠組みを奇想天外な導入で伝える。2章「デジャヴと再生」では、そんな大石先生が大地震に遭遇し、先の戦争へと記憶がフラッシュバックしてしまう。そして3章「100年目の点呼」では、復興した島に戦争で盲目となった老いた磯吉が訪れ、匂いと音で子供の頃の気持ちと再会する。冒頭で描かれた真夜中の点呼は、こんな風に帰結する。生成AIが繋ぐのは「人の心」。理不尽を乗り越え、残存能力を駆使して心の真実を抱きしめる。どんなに進化しても、技術と人間の関係はどうあるべきかに拘る制作者のテーマが尊い。
【受賞コメント】
第1回大会での入賞、心より感謝いたします。私の歌取りの内容や映像表現が、選考の場で激しい議論を呼んだのであれば本望です。
この結果をステップに、機材環境を刷新し、AI映像の新たな地平を切り拓いていきたいと考えております。
【作者】 山中祥平
【年齢・性別】26歳・男性
【選評】三つの時間軸を実写と見まがうほどのリアリティで描いた映像詩。技術的にも生成AI特有の細部の破綻を極力抑え、プロの鑑賞に堪えうるクオリティを維持している。映像も単なる羅列ではなく、詩的な語りが説得力を高めている。第一の季節では、物理的な現象の変化で、戦争が忍び寄る不穏さを繊細な光で表現している。戦後の世界では、帰還した人も戦死した人も「静かな席の並び」で“不在を可視化”し喪失感を醸した。「再生」へと転じる第三季では、“軽やかな波の音”という聴覚的な気づきから「オリーブの風」「空が近い」と開放的なイメージへと展開し、ラストで「未来は私たちの瞳の中にある」と確かな意思を感じさせた。巧みな演出が光った。
【受賞コメント】
このたびは光栄な賞をありがとうございます。小豆島の風景と生成AIの進化が交差する瞬間を映像化しました。実写っぽさならではの質感を追求し、新たな表現の可能性に挑戦しました。
【作者】野城紗唯奈(ペンネーム:HiBi)
【年齢・性別】24歳・女性
【選評】多くの朗読でも知られる名作、壷井栄「おるすばん」の本歌取りのこの作品で映像化された物語は、淡々と語られる思い出話を想起させる低めの主人公の語りの声の余韻がアニメーション映像と重なって、いつまでもじーんと心に響いて残る。物静かな展開の回想映像シーンとしての物語のエンディング手前の見せ方を、それまでの映像とは異なった画面展開のたった3秒ほどの丘一面の春爛漫の花咲くシーンに込めたことが、生成AIを活用してアニメーション化されたであろうヴィジュアル・ストーリー展開として主題の記憶に効いている気がする。
【受賞コメント】
この度は審査員賞をいただきましてありがとうございました。AI動画の可能性をもっと多くの方に知ってもらえたらと思います。今回がその一歩になれば幸いです。
【作者】沖田光生(ペンネーム:沖田ミツヲ)
【年齢・性別】34歳・男性
【選評】「瀬戸内の小魚たち」を現代に置き換えて描いている。おじさんが住む小豆島にやってくる姪っ子。彼女は岡山を出て大阪のファッション専門学校に通っている。姪っ子は学校での意識の高い同級生たちを見て自信をなくす。おじさんと小豆島の魚をめいっぱい食べる姪っ子。ゆるーい感じの会話やスマホの登場が今っぽい。おじさんの声は作者の沖田氏、それ以外の声をAIで生成している。地元の方言が使われていて、食べ物や自然描写とともに小豆島の魅力を伝えてくれる。本作のような水彩画調アニメーションは手描きだと塗りむらで画面が震えるようになるのだが、生成AIはそうしたことが起きない。そういう意味でも本作はオリジナリティがある。
【受賞コメント】
私自身、岡山の生まれで瀬戸内の海は馴染み深く『どうしても海と魚の話を描きたい!』と思い「瀬戸内の小魚たち」を題材に
作品づくりをさせていただきました。感無量です。ありがとうございました。
【作者】daiwamo (@daiwamo_ai)
【年齢・性別】36歳・男性
【選評】この作品は、小説「二十四の瞳」の世界を映画村で飼っている猫「村長」の目を通してみたもの。時代の移り変わりだけでなく、人の感情も深く読み取れる。猫という第三者が俯瞰で見る世界にみるみるうちに引き込まれていく。視点のアイデアだけでなく映像もキレイで、壺井栄の「二十四の瞳」があったから映画が撮られ、映画村が建設され、お客様に観て頂くことができるという変遷もよく分かる。作中では、「村長」にも家族が出来ていて、温かい気持ちになれた。
【受賞コメント】
映像制作は未経験でしたが、生成AIという革命的な技術に魅せられ、その可能性を信じてこの世界に飛び込みました。作品としての評価を頂き光栄です。この賞を糧に更に技術を磨き新しい表現を探究し続けたいです。
【作者】任申(ペンネーム:julyviking)
【年齢・性別】36歳・男性
【選評】見る者は見られる。この関係性の中で、「二十四の瞳」の世界観を読み直している点が、この作品の独自性だ。作品に描き込まれた鳥・魚・虫らが作品の展開を目撃している。その眼差しの全てが作者・壷井栄の視線でもあり、やがて描かれた嵐を超克する登場人物たちを希望と解釈する作者の姿勢を読者は見届ける。さらに『未来の録音』が動画制作者の優れた眼差しに乗り移る。「二十四の瞳」に育てられた子供たちが、やがて船長・料理人・映画監督・醤油職人などになり、小豆島を彼らなりに表現する。描かれた子も次は描く側にまわるのだ。生成AIによる3DCGが、こうした輪廻を美しく浮かび上がらせている。
【受賞コメント】
このたびの生成AIコンテストに参加できたことを、とても嬉しく思います。数多くの素晴らしい作品に触れることができ、大変刺激を受けました。私自身も、AI映像の可能性を引き続き探求していきたいと考えております。
審査員
6年間の東北芸術工科大学デザイン工学部助教授を 経て、1999年武蔵野美術大学造形学部デザイン情報 学科教授、2015年4月、同大学学長就任(2023年 3月末、学長任期満了退任)、2016年7月、Senior Fellow of the Royal College of Art となる。 2023年11月、学校法人武蔵野美術大学理事長就 任。2024年4月、武蔵野美術大学名誉教授。2025年 7月、英国国立ロンドン芸術大学より名誉博士号を 授与。
長澤 忠徳氏
NAGASAWA Tadanori
カルチュラル・エンジニア
武蔵野美術大学名誉教授、
学校法人武蔵野美術大学理事長
ドラマ「テレビの国のアリス」演出、NHKスペシャル 「驚異の小宇宙 人体」でハイエンドCGをプロデュー スし第29回日本テレビ技術賞受賞、ハリウッド映画 『Super Mario Brothers』CG制作、短編映画 『PANNYA』監督でQFRONT東京ファンタスティック 映画祭グランプリ受賞、映画『玩具修理者』監督、 株式会社モルフォCO-founder、「勘クローン」開発: 18代中村勘三郎が襲名前の勘九郎をアバター化、 インカメラVFXスタジオ番組「Deep TV.art」企画・ 制作・演出、GPTsアプリ企画・開発~生成AI動画の 第一人者。
博文1+0氏
Hakubun1+0
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詳細プロフィール
鳥取県生まれ。大阪育ち。総合映像プロダクションの 株式会社東北新社退職後、大阪芸大放送学科非常勤 講師。大阪関西万博大阪、大阪ヘルスケアパビリオン 関西大学のリボーンプロジェクトブースにて株式会社 アイ・エレクトロライト社のキャラクターデザイン、展示の アニメ映像企画制作と展示ポスターディレクションを実 施。釜山国際広告祭審査員。ニューヨークフェスティバ ル(Art & technique部門)審査員。放送批評懇談 会「ギャラクシー賞」CM部門選考委員などを歴任。 主な受賞作ISUZUジェミニ「浮気心」篇でCLIO賞他受賞、AIWA海外向けCMでNYフェス、 ロンドン国際広告賞、国際広告賞3回受賞。JA共済「事故現場」篇でACC賞。JAバンク、 あるいてちょきんぎょ「第一歩」篇でACC金賞、ADFEST金賞。味の素アミノバイタル「ふとん テニス」篇でACC賞。JAバンクあんしん計画「跳び箱」篇でACC銀賞、NYフェス、ロンドン 広告賞。
山下 治城氏
YAMASHITA Haruki
プロデューサー/ディレクター
詳細プロフィール
愛知県生まれ。東京大学文学部卒業後、NHKでNHK スペシャルなど、ドキュメンタリー番組の制作を担当。 NHK特集「そして山は荒廃した」で地方の時代特賞、 ドキュメンタリー90「看護婦さんを確保せよ」、ドキュメ ンタリー91「社長交代」、NHKスペシャル「病院再建の 内幕」で93年ギャラクシー選奨、NHKスペシャル「アメ リカPL訴訟」(95年)・「テレビは新たな時代へ」(03 年)・アニメ「銀河へキックオフ」(2012年・企画)・テレビ 60年特集「1000人が考えるテレビ ミライ」(2013 年)・放送記念日特集「テレビ 60年目の問いかけ」(2013年)・NHK放送文化研究所に異動 後、放送総局解説委員室解説委員兼任2009年編成局編成センターチーフディレクター就任。 大河・朝ドラダイジェスト「5分でわかる~」を業界に先駆けて実施。2014年次世代メディア 研究所設立。著書「あなたの知らない薬の話」、「福祉で町がよみがえる」、「デジタル放送~ マルチメディア時代のTVはどこへいくのか~」、「介護保険~あなたの暮らしはどう変わる~」、 「ドキュメント介護保険~北九州市の挑戦~」、「放送十五講」、「メディアの将来を探る」等。 また、国内外で多くの講演実績あり。
鈴木 祐司氏
SUZUKI Yuji
次世代メディア研究所代表
メディアアナリスト
福岡県生まれ。ホテルコンサル後、小豆島観光施設 二十四の瞳映画村の経営再生に従事。映画『八日目の蝉』、『8年越しの花嫁~奇跡の実話』、テレビドラマ 『二十四の瞳』(日本テレビ 黒木 瞳主演)(テレビ朝日 松下奈緒主演)(NHK 土村芳主演)、『京都殺人案内』『遺品整理人』など数多くの映画・ドラマ・CMに関わ る一方、映画オープンセットを38年経過した今でも集客できる施設として1950年代日本映画黄金期ギャラリー、ギャラリー松竹座映画館などを建設し、古き日本映 画の普及活動を展開。 その他、女優島田歌穂によるミュージカル「二十四の瞳」公演、日本最大ゴスペルクワイヤであるアノインティッド・マス・クワイヤーによる棚田を背景にした農村歌舞 伎舞台でのゴスペルプロデュース、元J-WALK中村耕一縁詣LIVEや、映画監督橋口亮輔、スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫、俳優リリー・フランキー、 女優木村多江を用いた映画人トークイベント「喋楽苦(しゃべらく)」の企画プロデュースなど地域発プロジェクトを立ち上げ、離島小豆島の魅力を発信し続ける。
有本 裕幸氏
ARIMOTO Hiroyuki
一般財団法人岬の分教場保存会(二十四の瞳映画村)専務理事
小豆島観光協会副会長、小豆島フィルムコミッション統括プロデューサー
賞・賞金
注意事項
二十四の瞳映画村
香川県小豆郡小豆島町田浦
TEL 0879-82-2455 FAX 0879-82-1824
AM9:00~PM5:00
【受賞コメント】
失うということ、愛するということ。AIと作品を紡ぐ中で、逆に私がその尊さを教えてもらったような気もします。AIに愛を教え、共に歩む。素晴らしい機会をくださった全ての皆様に、心より深く感謝申し上げます。