2014年3月1日

東京で(六十)

その健サンとついにお目にかかる事が出来た。
いつものようにコーヒーをすすってると、「カラン」とドアが開いて、
フッと見れば、カー!!健サンだ!番外地の残侠伝の侠客伝の東映の!
ウワー凄い!カッコ良い!シブイ!美しい!もうとにかく形容の仕方が無い!
隣にプロデューサー等、二三名と一緒に。
「ママ、コーヒー!」
ウオー!聞いた声を聞いた!健サンの生の声、聞いた!
小便チビリそう!いやもう!オーロラじゃなくて、オーラ!!
シビレましたネ。何ンにも関係ないのに汗かいて、ドキドキして。
コーヒーも多分半分くらい残して店に戻ったなあ。
戻って店の連中に話すと、まだいるかな?オレ等「VAN」行ったことないし。
オレは行ったけど健サンなんかに会った事なんかないよ。
VANって凄い美人ママがいるって店だろ。とまあワイワイガヤガヤ五月蠅(ウルサ)
の何の。
夜の部の従業員に3人位はいたかな、その中で毎日「VAN」でコーヒー飲む
のは俺と美人ママに岡惚れしてる先輩の二人だけ。
これだけこのユアーズという店には色々なスターが来るのに健サンと
いう人はやはり別格だった。ケタが違うんだなあ。

「クイズ番組のお勉強。悩ましいねえ」


勿論私めが役者を目指してる事は皆知っている。
ほとんどの人間が、「健サンに弟子入りしな。いいチャンスじゃない?」等と云う。
冗談じゃねえよ!そんな度胸がありゃあ、苦労しないよ。
しかし、健サンに会えたことで心の奥深くしまっておいた気持(おもい)が、
一気に吹き上げてきた。

石倉三郎