2014年10月1日

東京で(六七)

とにかく、どうして健サンという御方は、こんなに素晴しいんだろ。
相手の身になるというか、キチンと聞いてくれるんですな話を。
「ゲッ月謝もそうなんですけど、自分は田舎に仕送りをしなけりゃいけないんで、バイトは辞められませんし、といって、劇団も金がいるので、まあほとんど駄目な感じです。」
「だったら東映に来るかい。東映だったら、出演したらギャラは入るから、まあ最初は安いだろうけれど。」
何〜!!!東映!ワタクシメの驚愕!お解り戴けますよネ、こんなユメのような話があるのか!
続けてこうも、おっしゃった。
「バイトだって続ければいいし、まあ多少しんどいかも知れないけど、頑張ればいいじゃない。」

「刑事や鑑識は あるけど、犯人役は来ないなあ」


泣けましたネ、私は。
これほどのスターさんが、俺のような三下にここ迄云って下さる。
いやその好意というか温情というか、それが嬉しくて有難くて、ホ〜っとしてしまいました。
ママさんもチーちゃんも「良かったじゃないサブ、頑張んなヨ。」なんて云ってくれて、それから3日程たってこれも健サンに教えて貰った地図を頼りに大泉学園にある、東映東京撮影所へ。
緊張しまくって演技事務所へ行き、担当の方に会い晴れて入社出来まして、最初はフリー部。
つまり専属俳優になる(つまりは東映社員)には、4年程フリー部で頑張って後に専属に入れるというシステムで。
よっしゃ頑張って生くぞ!と。
初日から現場を紹介して頂き、撮影現場で何と健さんが立ち回りを演ってらっしゃる!
かぁ〜!凄い所へ来てしまった!

石倉三郎