2017年12月1日

東京番外地(百五)

 まあ使いっぱしり位のことだろうと、思っていたのだが、何と俺もディーラーだと云う、で、一週間程必死で学んで、プロ二人がヘコみだしたら、ワンタイムだけ、つまりほんのチョイの間、代打ちするワケである。イヤー恐ろしかったなあ。お客サンは、その筋の人達に混じって素人の博打好きな人もいる。大変な金額がかかっているし、皆、必死な形相である。ホントに今思い出しても冷汗が出る。まあ一年間、ピタリ一年間付き合って、東京に戻ったけど、この一年間は凄かったなあ。色々あったけど、ま、後は皆様方のご想像に。で一年後、さてこれから何をするか!?すると丸ノ内有楽町にある殿堂・日劇ミュージックホールで、コメディアンを募集していると、風の噂。お!こりゃ有難い!早速応募して試験当日ミュージックホールへ向った。
さすが伝統ある裸とコントの聖地、まあ色んなコメディアンが応募にきている。ベテラン、何も知らないポット出、ま俺も何も判っちゃいないのだが、プロのような顔して、出番を待っていた。すると商劇場時代に知り合ってた役者がいて、何とこの男はもう長い間このホールでコメディアンをやっていて、合い間の仕事がない時に商劇場に出ていた訳で、それが今度、ホールの意向で、全てコメディアンは新しくするということで募集となったと云う。何と青天の霹靂とはコレだ、何十人か何百人か応募したのか知らないが、何と採用されたのだ。カ〜〜〜!!

石倉三郎